Google Cloud Summit London では、Google Cloud が AI を活用した開発をどのように変革し、次世代のエージェント アプリケーション構築の可能性を広げているかをご紹介しました。今回その一環として、マルチモーダル プロンプトによるコード生成やコードの直接記述など、その方法にかかわらずフルスタックの AI アプリケーションを作成できるクラウドベースの AI ワークスペース Firebase Studio の大幅な機能強化を発表いたします。汎用性の高いエージェント モード、Model Context Protocol(MCP)の基本サポート、Gemini CLI の統合といった今回のアップデートは、AI を活用した開発を再定義し、強力な AI 機能をワークフローに直接統合できるように設計されています。
Firebase Studio では、新しく登場した自律性のあるエージェント モードを含め、3 つの異なるモードで Gemini と対話できるようになりました。会話することも、段階的なコントロールのもとにタスクを委任することも、Gemini に独立して作業を代行させることもできます。Gemini 2.5 の深いコード理解と強力な論理的推論機能により、モードをシームレスに切り替えて開発タスクを効率化できます。
このモードは Gemini とのディスカッションや計画に使用できます。ブレインストーミング、コードの計画、複雑な問題に関する協働的なディスカッションに最適です。「質問」モードは純粋な会話形式であり、ファイルに変更は加えられません。
このモードでは、Gemini はアプリへの変更を提案できますが、提案は必ず開発者に通知されます。「エージェント」モードでは、ファイルに変更が適用される前に提案された変更を承認する必要があります。これにより、変更内容を完全に監視でき、プロジェクトに統合される前にコードレビューを簡単に実施できます。
「エージェント(自動実行)」モードを使用すると、Gemini は自律的に推論し、完全なアプリの生成や既存アプリへの機能追加を行えます。たとえば、複数ファイルにわたるコード変更、テストの書き込み、エラー修正、コンポーネントのリファクタリングなどが可能で、すべて 1 つのプロンプトから実行できます。セキュリティのため、ファイルの削除、ターミナル コマンドの実行、外部ツールの使用に際しては常にユーザーの許可が必要になります。
これらのエージェント モードでは、さまざまなプロジェクト レベルのルールファイルからパーソナライズされたガイダンスを活用し、Gemini が特定のデザイン パターンや好みに準拠するように設定できます。プロジェクトのルートにある .idx/airules.md
、GEMINI.md
、.cursorrules
などのファイルから指示を自動的に検出して読み込むことで、一貫性があり高度にカスタマイズ可能なエクスペリエンスを提供します。
これらの新しいエージェント モードに加えて、Firebase Studio では Model Context Protocol(MCP)の基本サポートもプレビューしています。これにより、ワークスペースに MCP サーバーを追加し、Firebase で Gemini を活用してワークフローを拡張、パーソナライズできるようになりました。たとえば、アプリケーションのビルド中やデバッグ中に、Firebase MCP サーバーを使用して自然言語で Cloud Firestore のデータを探索したり、Context7 を使用して Gemini のライブラリ固有のコンテキストを取得したりできます(例: MediaPipe のオンデバイス ML を使用したアプリのビルドをお試しください)。機能の統合をさらに進めるため、皆さんからのフィードバックをお寄せいただけると助かります。
先日、Gemini CLI がリリースされました。コード作成だけでなく、コンテンツ生成やリサーチなど幅広いタスクに使用できる強力な無料ツールです。これは、豊富な利用プラン、高度な AI 機能、リアルタイム コンテキストに対応する Google 検索との統合、カスタマイズと貢献を可能にするオープンソース アーキテクチャを特徴としています。さらに今回、Gemini CLI が Firebase Studio に直接統合されたことをお知らせいたします。
コード生成、デバッグ、コマンドの実行、プロジェクト ファイルの管理などのタスクをターミナルでかなりの時間をかけて行う場合、Gemini CLI ではコンテキストを別のチャット ウィンドウに切り替える必要がなく、シームレスな AI を活用したエクスペリエンスが実現します。
これらの新たなアップデートでは、その勢いに乗り、Firebase Studio に強力な AI 機能をさらに深く組み込んでいます。
すでに多くのお客様が Firebase Studio の AI 機能を活用してワークフローを合理化し、リリースまでの時間を短縮しています。水素経済向けの調達プラットフォームの作成やパーソナライズされたファッション スタイリストの提供から、ポケモンファンを支援するために AI を活用したカードのスキャンと識別機能でカード コレクションを管理することや印象的な視覚表現と人間中心の分析による建築の実現まで、さまざまな事例があります。
私たちは、皆さんがプロ品質のアプリを迅速かつ簡単にリリースできるよう、新機能とアップデートを継続的に提供することに注力しています。Firebase Studio の新機能をぜひお試しください。ビルドしたアプリは X や LinkedIn で #FirebaseStudio のハッシュタグを付けて共有しましょう。