Project IDX で Gemini モデルを使用して構築する

2月 15, 2024
Ali Satter AI Lead
Roman Nurik Design Lead

数週間前、Google はフルスタックのマルチプラットフォーム ソフトウェア開発の合理化と簡素化をサポートする Project IDX の一連の製品アップデートを発表しました。今週は、Project IDX が Gemini モデルを使用して AI 機能を提供し、エンドツーエンドのデベロッパー ワークフローをさらにスピードアップして改善する方法をご紹介します。

Project IDX は AI によるコード補完、アシスタント チャットボット、「コメントの追加」や「このコードの説明」のようなコンテキストに応じたコード アクションのサポートを開始し、高品質のコードをより迅速に記述できるようになりました。立ち上げ以来、皆様からのフィードバックのおかげもあり、Google は生産性をさらに向上させるための新しい AI 機能の追加に取り組んできました。

インライン AI アシスタントで作業を高速化

Cmd/Ctrl+I キーを押すことで、任意のファイル内でインライン AI アシスタントを利用できるようになりました。コードに加える変更を記述するだけで、IDX インライン AI アシスタントがリアルタイムでコードのエラー修正、コード提案、自動補完を行います。

Google は、これらの AI の拡張機能を Project IDX の一元的なワークスペースに直接統合し、フルスタックのアプリ開発に必要なツールやリソースを、必要なときに必要な場所で利用できるようにしました。ワークスペースの設定からアプリのテストまで、IDX AI アシスタントがワークフローの迅速化と改善をサポートし、エンドツーエンドの開発エクスペリエンスをより迅速、簡単、高品質なものにします。

たとえば、認証された API エンドポイントをサーバーに追加する場合、Firebase Authentication と Cloud Firestore を使用した安全なタスク管理に必要なコードを記述するように IDX AI に指示できます。入力プロンプトが指定されると、IDX AI アシスタントはルートを構築するためのコードを記述し、トークンを検証するために使用する API を決定し、データをデータベースに保存できます。ボイラープレート コードを記述する代わりに、より高度な設計や問題解決に集中できます。

参照用の入力プロンプト: /tasks という名前の POST エンドポイントを作成します。_session という名前の Cookie から ID トークンを取得します。このトークンを Firebase Admin SDK で検証します。UID プロパティを使用して、アイテムをユーザーに割り当てます。次に、Admin SDK を使用して、createdAt の servertime スタンプ付きのタスクアイテムを Firestore データベースに保存します。

次に、コードの品質、読みやすさ、保守性を向上させるために、コードを少しクリーンアップしましょう。IDX AI アシスタントを使用すると、コードを迅速かつ簡単にリファクタリングできるため、手動リファクタリングの手間をかけずに作業を最適化できます。

参照用の入力プロンプト: Node の promise API を使用するようにリファクタリングします。

また、プロジェクトを完結させる際には、IDX AI がコードのテストとデバッグをサポートし、デプロイ前にアプリケーションがスムーズに実行されていることを確認できます。IDX AI アシスタントに関数が正常に動作していることを確認するための単体テストを作成するよう指示すれば、アプリの品質を検査する際の時間と労力を節約できます。

参照用の入力プロンプト: この関数の単体テストを作成します

Gemini API テンプレートを使用して AI 機能を簡単に追加する

また、Project IDX の新しい Gemini API テンプレートにより、Gemini API を使用した構築プロセスをシンプルにしています。Gemini API テンプレートは、Gemini Pro モデルを使用してこちら側で追加の構成を行うことなく AI 搭載の機能をアプリケーションに埋め込むため、Gemini API の使用をすばやく簡単に開始できます。よく使われている LangChain フレームワークを介して Gemini API を使用するオプションもあり、LLM を利用したアプリを構築するプロセスをシンプルにできます。

Gemini API テンプレートはマルチモーダルです。つまり、画像、テキスト、そしてもちろんコードを含む無数の入力モダリティに対してコンテキストアウェアのプロンプト出力を提供できます。これにより、会話インターフェース、ユーザー レビューの要約、翻訳、画像キャプションの自動作成などの機能を追加できます。

その機能を実証するために、Google は Gemini API テンプレートを「Baking with Gemini API」で事前構成しました。Gemini モデルのマルチモーダル機能を使用したレシピ作成アプリケーションです。これにより、写真だけで可能なレシピをリバース エンジニアリングできます。

しかし、このレシピ作成アプリケーションは、実際に使用されている Gemini API テンプレートのほんの一例にすぎません。さまざまな入力モダリティとコンテキストアウェアの出力生成をサポートすることで、IDX の Gemini API テンプレートを使用して、革新的でインパクトのあるアプリケーションを無数に作成し、ユーザーに AI 強化されたエクスペリエンスを提供できます。

今後の AI 最新情報にご注目ください

これらの最新情報は、Google の AI イノベーションを Project IDX に活用するための継続的な取り組みの一環です。今後数週間で IDX の AI が 150 を超える国 / 地域に拡大されることなど、今後の発表にご注目ください。

皆様の変わらぬサポートとご関心に感謝します。引き続きバグの報告機能リクエストをお寄せください。ここでお知らせしたすべての機能の詳細は、ドキュメントのページで確認できます。まだ Project IDX に登録していない方は、ウェブサイトにアクセスして登録し、試してみて、この取り組みにご参加ください。また、最新のプロダクトのお知らせやチームの最新情報は、新しい Project IDX ブログでお知らせしています。

皆さんが Project IDX で作るものを見るのが待ちきれません!