Gemini API の URL コンテキスト ツールが一般公開に

2025年8月18日
Alisa Fortin Product Manager

本日より、URL コンテキスト ツールをスケールされた本番環境で使用できるようになり、新たな機能が満載となっています。このツールにより、デベロッパーはコンテンツを手動でアップロードする代わりに、URL の形式で追加のコンテキストをモデルに提供できるようになり、より強力でコンテキストを認識した生成 AI アプリケーションを実現できます。

デフォルトでは、Gemini モデルは静的なナレッジベースを持ち、直接インターネットにアクセスしません。Google 検索によるグラウンディングがこれらのモデルをウェブに接続することで、広範なリアルタイムの情報探索が可能になります。より詳細な分析を行うために、URL コンテキスト ツール検索スニペットにとどまらず、特定のウェブページの全コンテンツをモデルに取り込んで推論できるようにします。検索による検出と URL コンテキストによる分析というこの強力な組み合わせは、高度なマルチステップ タスクの基盤です。


コンテンツ サポートの拡張による汎用性の向上

このリリースにより、URL コンテキスト ツールはプロンプトにグラウンディングできるコンテンツの種類を大幅に拡張し、より幅広いアプリケーションでより汎用的に使用できるようになりました。現在サポートされている機能は次のとおりです。

  • PDF サポート: PDF への直接リンクを提供できるようになり、Gemini はテキストを抽出するだけでなく、テーブルとその全体構造を理解し、レポート、論文、マニュアルに完全にアクセスしてグラウンディングできるようになりました。

  • 画像サポート: PNG、JPEG、BMP、WebP 形式などの画像を処理、分析できるようになりました。これにより、Gemini のマルチモーダル機能を活用して視覚情報を理解し、チャート、ダイアグラムなどの分析が可能になります。

  • ウェブおよびデータファイル: 標準ウェブページ(HTML)、構造化データ(JSON、XML、CSV)、テキスト ファイル(書式なしテキスト、RTF、CSS、JavaScript)の確実なサポートを引き続き提供します。


本番環境のスケールに対応

これらの拡張機能をアプリケーションで確実に使用できるように、URL コンテキスト ツールの制限と料金設定が更新され、スケールされた本番環境での使用に対応できるようになりました。レート制限は選択した特定の Gemini モデルに基づいて設定されるようになり、はるかに大規模なスケールが可能になりました。コンテキストへの追加入力トークンは、モデルの標準レートに基づいて請求されます。これにより、費用が明確になり、予測しやすくなります。


新たなユースケースの実現

URL コンテキスト ツールは、デベロッパーに幅広いエージェント ワークフローを提供します。ここでは、ビルドできるユースケースをいくつかご紹介します。

  • お客様とのやり取りをパーソナライズ: お客様のウェブページを AI チャット エージェントにグラウンディングし、問い合わせに対して正確で適切な回答を提供します。

  • ドキュメントの比較: 複数のレポート、記事、PDF を分析し、相違点を特定して傾向を追跡します。

  • コンテンツの合成と作成: 複数のソース URL からの情報を組み合わせて、正確な要約、ブログ投稿、レポートを生成します。

  • コードとドキュメントの分析: GitHub リポジトリや技術ドキュメントを参照し、コードの説明、セットアップ手順の生成、技術的な質問への回答を行います。


URL コンテキストの活用例

すでに URL コンテキスト ツールを活用して素晴らしいものがビルドされています。実際の例をいくつかご紹介します。

Gemini CLI: Gemini CLI は、ターミナルで直接 Gemini にアクセスできるオープンソースの AI エージェントで、ウェブフェッチ コマンドに URL コンテキスト ツールを使用することでデベロッパーはウェブ コンテンツをすばやく簡単に操作でき、ウェブページの要約、重要な情報の抽出、別の言語への翻訳などのユースケースを可能にします。

Web fetch tool in Gemini CLI
Gemini CLI のウェブフェッチ ツール

Gladly.ai: カスタマー サービス プラットフォームである Gladly は、URL コンテキスト ツールを使用して、高度にパーソナライズされたカスタマー エクスペリエンスを提供しています。Gladly の AI プラットフォーム上にビルドされたエージェントは、お客様のウェブサイトへのリンクを提供することで最新の製品情報、プロモーション、サポート記事にアクセスし、それらを理解できます。これにより、お客様からの問い合わせに対してより正確で適切な回答を提供できるようになります。


さっそく使ってみましょう

URL コンテキスト ツールを使用してビルドを開始する準備はできましたか?次の例を参考にしてみましょう。

from google import genai
from google.genai.types import Tool, GenerateContentConfig
client = genai.Client()
 
model_id = "gemini-2.5-flash"
tools = [
     {"url_context": {}},
 ]
 
 
response = client.models.generate_content(
    model=model_id,
    contents="What are the top 3 recent announcements from the Gemini API according to https://ai.google.dev/gemini-api/docs/changelog",
    config=GenerateContentConfig(
        tools=tools,
    )
)
for each in response.candidates[0].content.parts:
   print(each.text)
Python

URL コンテキストのドキュメントに移動して詳細を確認し、コードサンプルをご覧ください。ミニデモアプリで実際の動作を確認するか、Google AI Studio の [ツール] セクションにある URL コンテキストのトグルを見つけてお試しください。

皆さんのアプリのリリースを楽しみにしています。