Firebase Studio で人気のあるフレームワークに新たな AI 機能が登場

2025年7月23日
Jeanine Banks Vice President & General Manager Developer X
Vikas Anand Director Product Management

数週間前には、クラウドベースの AI ワークスペース Firebase Studioエージェント型の AI 開発を推し進め、次世代の AI 搭載アプリを 1 か所で作成してリリースできる様子をご紹介しました。また汎用性の高い「エージェント」モード、Model Context Protocol(MCP)の基本サポート、Gemini CLI との統合も導入しました。

インドの I/O Connect で発表する新たなアップデートでは、こうした新機能と Gemini のパワーを組み合わせて、使い慣れたフレームワークや言語でアイデアをアプリへと変えることができます。アップデートの具体的な内容は次のとおりです。

  • AI に最適化されたテンプレートでエージェント型の開発を加速

  • Firebase バックエンド サービスとの効率的な統合

  • ワークスペースをフォークすることで、進化するコードベースをさらに細かく制御

とりわけインドは世界最大級のアプリビルダー コミュニティの拠点でもあることから、これらの発表をインドで行えることが楽しみです。たとえば、Android 向け Google デペロッパー エキスパートの Pankaj Rai 氏は、Firebase Studio を使用して学生向けのメンターシップ プラットフォーム Mentor Sarthi 全体を構築し、成長と開発を促しています。同氏はさらに Firebase Studio を使用して自らのパーソナル スタイリスト アプリ GlamMEAi をウェブ上の新たなオーディエンスに提供しましたが、その際ウェブ向けの開発方法を学ぶ必要はありませんでした。以下に紹介するアップデートで世界中のデベロッパーが今後も Firebase Studio を活用してイノベーションを巻き起こすことを期待しています。


AI に最適化されたテンプレートの導入でアプリを瞬時に作成可能

Flutter、Angular、React、Next.js、一般ウェブ向けのワークスペース テンプレートを Gemini を活用した新たな AI 機能でアップデートしており、高機能の素晴らしいアプリをビルドしてデプロイできます。AI に最適化されたテンプレートを使ってプロジェクトを作成すると、ワークスペースがデフォルトで自律性のあるエージェント モードと再設計されたレイアウトとなり、短時間でフローに入ることができます。

Gemini のサポートにより、タスクの計画と実行が個別に行えます。段階ごとに承認を待つ必要はありません。アプリ全体の生成、機能の改良、テストの実行、ドキュメントの生成、新機能の追加など、タスクに応じて「質問」モードと「エージェント」モードを切り替えられます。

また各テンプレートに airules.md ファイルを追加しており、コード生成の指針となる特別な手順を Gemini に提供し、特定の種類のアプリケーションごとにドキュメントを作成します。これにより、Gemini は関連するコーディング標準、エラー処理方法、依存関係、開発のベストプラクティスをさらに深く認識できます。

Firebase Studio で AI に最適化されたテンプレートを使用して Flutter アプリを作成する方法をご紹介します。

今後数週間にわたって、Go、Node.js、.NET など、人気のあるフレームワークや言語のテンプレートをすべてアップデートしていく予定です。

Firebase サービスとのシームレスな統合

Firebase サービスをアプリに追加すると、アプリの機能が拡張できるようになります。今後は Firebase バックエンド サービスをアプリに統合する場合、Gemini をプロンプトで実行するだけです。バイブ コーディングや AI に最適化されたテンプレートでアプリ プロトタイピング エージェントを使用している場合は、Gemini にどのようなアプリが必要かを伝えるだけで、Firebase サービスを推奨してくれます。Gemini が必要なライブラリやパッケージをインポートし、必要なサービスを統合するためにコードを更新し、追加のセットアップや設定手順をガイドしてくれるので、クリック数を減らして時間を節約できます。こうした作業を始めるのに費用はかかりません。

Firebase バックエンド サービスでシームレスに統合する方法は、こちらの技術解説記事で説明します。

ワークスペースのフォークで実験とコラボレーションを強化

イノベーションの栄えるもととなるのは実験ですが、時にはセーフティ ネットが必要なこともあります。そこでワークスペースをフォークしてまったく同じコピーを作成できるようにしました。たとえば、エージェントのチャット履歴はすべてオリジナルのまま保持されます。これにより、信頼の置けるバックアップを作成して任意の時点で復元できるので、新しい機能をビルドしたり、自信をもって新しいことを試したりできます。取り返しのつかないエラーを気にする必要がありません。また、メインの開発ワークスペースに影響を与えることなく、デバッグやトラブルシューティングが必要なときにワークスペースをフォークし、「進行中」のワークスペースを他の人と共有してコラボレーションを円滑に進めることができます。

プロンプトの強化とプロジェクトのアップロード サイズ拡大

より高い制御性と柔軟性が得られるよう、AI 支援での開発エクスペリエンスを継続的に改良しています。多くの方が Firebase Studio から 1 つのプロンプトだけで完全に機能するアプリを作成できますが、実際には Firebase Studio 以外からプロンプトを作りこむ人をたくさん見てきました。そこで先日、Firebase Studio で新しい「プロンプト拡張」機能をローンチしました。この機能により、Gemini とコラボレーションしてプロンプトやアプリのアイデアを改良できます。また、プロジェクトのアップロード サイズを 100 MB と大幅に引き上げており、さらに大規模の複雑な既存プロジェクトを Firebase Studio に取り込むことができます。


AI 支援開発は今後さらに高機能に

最近のリリースから、バンガロールでの新たな発表にいたるまで、私たちは Firebase Studio を使用した AI 支援開発をさらに直感的で高速化し、楽しめるよう取り組んでいます。これにより、世界中の誰もが、コーディングの経験が何十年あろうと、まったくなかろうと、どこからでも野心あふれるアプリのアイデアを形にできます。


Firebase Studio でこれらの新しい機能をぜひ確かめてください。そして、自分が作成したものを XLinkedIn のハッシュタグ #FirebaseStudio でシェアしましょう。