本日より、Google AI Studio と Gemini API で、Google 検索によるグラウンディングをロールアウトします。Google 検索の助けを借りることで、Gemini モデルの回答の正確さと新鮮さが向上します。回答の正確さが増すだけでなく、グラウンディングのソース(インラインの補助リンク)と、グラウンディングによる検索結果を指す検索候補も返されます。
Google 検索によるグラウンディングは、一般公開されているすべてのバージョンの Gemini 1.5 モデルでサポートされます。デベロッパーは、Google AI Studio の [Tools] セクションか、API から 'google_search_retrieval' ツールを有効化することで、この機能をオンにすることができます。Google AI Studio では、グラウンディングを無料でテストできます。API を使う場合は、有料プランで 1,000 件のグラウンディング付きクエリごとに 35 ドルでこのツールにアクセスできます。
以下のような効果が期待できるクエリやアプリケーションでは、Google 検索によるグラウンディングを有効にすることをおすすめします。
以下に、AI Studio の新しい比較モードで、Google 検索によるグラウンディングを行った例を示します。最初の例では、モデルはナレッジ カットオフに基づいて古い回答が返されています(左)。しかし、グラウンディングをオンすると、利用可能な最新のソースに基づいた正確な回答が返されます(右)。
次の例では、グラウンディングが有効になっていない場合、モデルはデフォルトの意図的に最小限に抑えられた回答しか返しません(左)。グラウンディングを行うと、補助リンクを含む詳しい回答が返されます(右)。
ユーザーがグラウンディングをオンにしてクエリを作成すると、Google の検索エンジンを使ってクエリに関連する最新の包括的な情報が検索され、その結果がモデルに送信されます。そのため、モデルの回答の正確さと新鮮さが向上し、インラインのグラウンディング ソース(補助リンク)と検索候補が表示されます。
import google.generativeai as genai
import os
genai.configure(api_key=os.environ["API_KEY"])
model = genai.GenerativeModel('models/gemini-1.5-flash-002')
response = model.generate_content(contents="Who won Wimbledon this year?",
tools='google_search_retrieval')
print(response)
# 応答には、グラウンディング ソース、信頼スコア、検索候補を含む `groundingMetadata` が含まれる
完全なコードは、 ドキュメント をご覧ください。
グラウンディングはコストとレイテンシを伴うので、Google 検索によるグラウンディングがオンになっている場合でも、セッションのすべてのクエリで必ずしもグラウンディングが行われるわけではありません。この動的情報取得が、デベロッパーの 2 番目の制御レイヤとなります。
デベロッパーがグラウンディング付きの回答をリクエストすると、動的情報取得設定によって、プロンプトに 0 から 1 の間の浮動小数点値で予測スコアが割り当てられます。この値は、グラウンディングの効果が高いと思われるプロンプトほど高くなります。デベロッパーは、リクエストでグラウンディングを行うスコアのしきい値を設定できます(デフォルトのしきい値は 0.3 です)。さまざまなしきい値をテストして、アプリケーションに最適な値を確認してください。
Gemini ベースのアプリケーションで Google の検索結果を活用したグラウンディングを行うことで、実用的で信頼性の高い正確な情報をユーザーに提供できます。詳しいコード例や手順は、ドキュメントをご覧ください。
皆さんからのフィードバックと、皆さんがこの新機能を使って作るものを見るのが楽しみです!