Gemini API と Google AI Studio が Google 検索によるグラウンディングに対応

10月 31, 2024
Shrestha Basu Mallick Group Product Manager Gemini API
Logan Kilpatrick Senior Product Manager Gemini API and Google AI Studio

本日より、Google AI StudioGemini API で、Google 検索によるグラウンディングをロールアウトします。Google 検索の助けを借りることで、Gemini モデルの回答の正確さと新鮮さが向上します。回答の正確さが増すだけでなく、グラウンディングのソース(インラインの補助リンク)と、グラウンディングによる検索結果を指す検索候補も返されます。

Google 検索によるグラウンディングがオンになっている場合、モデルからグラウンディング ソースと検索候補を含む回答が返される

Google 検索によるグラウンディングは、一般公開されているすべてのバージョンの Gemini 1.5 モデルでサポートされます。デベロッパーは、Google AI Studio の [Tools] セクションか、API から 'google_search_retrieval' ツールを有効化することで、この機能をオンにすることができます。Google AI Studio では、グラウンディングを無料でテストできます。API を使う場合は、有料プランで 1,000 件のグラウンディング付きクエリごとに 35 ドルでこのツールにアクセスできます。


グラウンディングが推奨されるのはどんな場合ですか?

以下のような効果が期待できるクエリやアプリケーションでは、Google 検索によるグラウンディングを有効にすることをおすすめします。

  • ハルシネーションの軽減: グラウンディングにより、AI アプリケーションがより事実に基づいた情報をユーザーに提供できるようになります。

  • 最新の情報: グラウンディングを使うことで、モデルがリアルタイム情報にアクセスできるようになるので、AI アプリケーションの実用性が高まり、適用できるシナリオが大幅に増加します。

  • パブリッシャーの信頼とトラフィックの向上: グラウンディングによる補助リンクが提供されることで、ユーザーが根拠となったソースをクリックして詳細を確認できるようになるので、AI アプリケーションの透明性と信頼性が高まります。

  • 豊富な情報: グラウンディングにより、Google 検索から引き出した情報でモデルの回答が拡充されるので、多くのクエリでより多彩な情報を提供できるようになります。


Google 検索によるグラウンディングの実例

以下に、AI Studio の新しい比較モードで、Google 検索によるグラウンディングを行った例を示します。最初の例では、モデルはナレッジ カットオフに基づいて古い回答が返されています(左)。しかし、グラウンディングをオンすると、利用可能な最新のソースに基づいた正確な回答が返されます(右)。

Model response in Google AI Studio compare mode
Google AI Studio の比較モードでのグラウンディングなし(左)とグラウンディングあり(右)のモデルの回答

次の例では、グラウンディングが有効になっていない場合、モデルはデフォルトの意図的に最小限に抑えられた回答しか返しません(左)。グラウンディングを行うと、補助リンクを含む詳しい回答が返されます(右)。

Richer response by the latest Gemini 1.5 Flash model
最新の Gemini 1.5 Flash モデルで Google 検索によるグラウンディングを行った場合の詳しい回答(右)

Google 検索によるグラウンディングはどのように動作しますか?

ユーザーがグラウンディングをオンにしてクエリを作成すると、Google の検索エンジンを使ってクエリに関連する最新の包括的な情報が検索され、その結果がモデルに送信されます。そのため、モデルの回答の正確さと新鮮さが向上し、インラインのグラウンディング ソース(補助リンク)と検索候補が表示されます。

import google.generativeai as genai
import os
 
genai.configure(api_key=os.environ["API_KEY"])
model = genai.GenerativeModel('models/gemini-1.5-flash-002')
 
 
response = model.generate_content(contents="Who won Wimbledon this year?",
                                  tools='google_search_retrieval')
 
print(response)
# 応答には、グラウンディング ソース、信頼スコア、検索候補を含む `groundingMetadata` が含まれる

完全なコードは、 ドキュメント をご覧ください。


グラウンディングはコストとレイテンシを伴うので、Google 検索によるグラウンディングがオンになっている場合でも、セッションのすべてのクエリで必ずしもグラウンディングが行われるわけではありません。この動的情報取得が、デベロッパーの 2 番目の制御レイヤとなります。

デベロッパーがグラウンディング付きの回答をリクエストすると、動的情報取得設定によって、プロンプトに 0 から 1 の間の浮動小数点値で予測スコアが割り当てられます。この値は、グラウンディングの効果が高いと思われるプロンプトほど高くなります。デベロッパーは、リクエストでグラウンディングを行うスコアのしきい値を設定できます(デフォルトのしきい値は 0.3 です)。さまざまなしきい値をテストして、アプリケーションに最適な値を確認してください。

Dynamic retrieval for Grounding Search in Google AI Studio
Google AI Studio で Google 検索によるグラウンディングの動的情報取得を行う

Gemini ベースのアプリケーションで Google の検索結果を活用したグラウンディングを行うことで、実用的で信頼性の高い正確な情報をユーザーに提供できます。詳しいコード例や手順は、ドキュメントをご覧ください。


皆さんからのフィードバックと、皆さんがこの新機能を使って作るものを見るのが楽しみです!