I/O 2024 で発表された Google Pay の最新ニュース

5月 28, 2024
Jose Ugia Developer Relations Engineer
James O’Reilly Developer Relations Lead
Robert Dunnette Director, Product Management

現在 180 か国以上で、何億人もの人がお気に入りの小売店で買い物をする際に Google Pay を使用しています。Google I/O 2024 では、Google Pay に追加された新機能のいくつかをご紹介するとともに、これらの機能を使用してお客様により充実したアクセスしやすい支払いエクスペリエンスを提供できるようにする方法と、支払いの統合を簡素化する改善された API について説明しました。

本稿では、イベントで取り上げた内容の概略をお伝えします。YouTube 動画「Everything you need to know about Google Pay & Wallet」で、セッションの録画をご覧いただくこともできます。


後払い決済の統合

Google は近ごろ米国で、Affirm と Zip による「後払い決済」のサポートを導入しました。「後払い決済」は顧客の獲得、コンバージョン、ユーザー維持の向上につながり、ビジネスの前進に寄与することが業界の調査によって明らかになっています。

大半の販売者は、「後払い決済」のオプションをユーザーにすぐに表示できます。この統合は Google Pay & ウォレット コンソールで管理できます。

図 1: Google Pay で「後払い決済」を使用した購入フローの例

Google Pay ボタンがさらに情報豊かに

昨年の I/O では、カード ネットワークとお客様が前回使用したお支払い方法の最後の 4 桁をボタンに直接表示する動的な Google Pay ボタンを導入しました。このコンテキストにより、継続的なコンバージョンの向上と、最大 40% のトランザクション数増加が確認されています。

このたび、カードアートと発行会社名が表示されるように Google Pay ボタンがアップグレードされ、ユーザーにさらに喜ばれるリッチなエクスペリエンスを提供できるようになります。また、Google Pay が利用可能なあらゆる場所で重要なコンテキストを提供できるよう、このダイナミックなエクスペリエンスをボタン以外の UI 実装にも拡張します。これらの変更は、今年後半に米国でロールアウトされる予定です。

Figure 2: The new Google Pay button features improved card art, issuer name and the 4 digits of the last used card
図 2: 新しい Google Pay ボタンには、カードアートと発行会社名が表示されるようになり、最後に使用したカードの番号の下 4 桁がその後ろに続く

また、ウェブ上のさまざまな種類の Google Pay ボタンにダイナミック コピーを追加しています。この機能により、カード番号の下 4 桁など、ユーザーがカードを特定できる情報がボタン上に表示されます。

図 3: Google Pay Web API のダイナミック コピー機能の一例

より安全な支払いのための Google Pay

Google Pay は主要な決済ネットワークのセキュリティ機能を活用しており、適格なトランザクションにおける不正行為の法的責任を販売者に負わせません。Google Pay が使用された適格な Visa オンライン トランザクションにおける販売者の債務責任の​移行を可能にすることで、このメリットをより多くの方が得られるようにしました。債務責任の​移行の有効化は、Google Pay & ウォレット コンソールですばやく簡単に行えます。

Figure 4: Enabling Fraud Liability Protection from Google Pay & Wallet Console
図 4: 不正行為による債務責任からの保護を有効化する Google Pay & ウォレット コンソールの画面

改善された API により生産性が向上

Google は、優れたデベロッパー エクスペリエンスを備えた安全で便利な決済プラットフォームを提供するというコミットメントの一環として、Google Pay との統合エクスペリエンスを向上させるための新しい方法を常に構築しています。


Compose のインターフェースで Google Pay ボタンをプレビュー

Google Pay ボタンは、Jetpack Compose のプレビュー機能をサポートするようになりました。この機能により、Android デバイスでアプリケーションをコンパイルして実行しなくても、開発中にさまざまなボタンの種類、スタイル、配置を簡単にテストできます。使用を開始するには、レイアウトのコンポーズ可能な PayButton ビューに @Preview アノテーションを追加するだけです。


テストカード スイートでトークン化されたカードをサポート

昨年 Google は、Google Pay のテストスイートのアップグレードとして PSP テストカードを発表しました。これにより、不正行為、拒否、口座の残高不足などによるトランザクションの成功と失敗を含む支払いフロー全体を検証できます。

このたび、デバイスにバインドされるトークンをサポートするためにテストカード スイートを拡張し、テストをさらに包括的なものにするために基盤となるテストパスを提供します。

図 5: テストカード スイートにトークン化されたカードのサポートが追加

統合のより効果的なトラブルシューティング

当然のこととして、ソフトウェア開発においてすべてが順調に進むわけではありません。そのような状況をサポートするために、API から返されるエラー メッセージがよりわかりやすくなりました。これにより、アプリの問題を理解してデバッグしやすくなります。また、Google Pay で決済を行う際には、決済処理中に発生する可能性のある一時的なエラーについて、より適切にユーザーに通知できるようになります。

Figure 6: A sample application showing an interface based on an error during the payment process with Google Pay
図 6: Google Pay での決済処理中のエラーに基づいてインターフェースを表示するサンプル アプリケーション

Google Pay を使ってみる

今すぐ Google Pay の統合を開始するには、こちらのドキュメントをご覧ください。
統合について詳しい情報をお求めの場合は、GitHub のオープンソースのサンプル アプリケーションを確認することをおすすめします。
準備ができたら、Google Pay & ウォレット コンソールで、本番環境にアクセスするための統合を送信してください。