Labs.google は、生成 AI ができることを広げる場所であり、ほかにはない見た目の美しさ、楽しいインタラクション、新たな AI ツールの使い方を模索することができます。
このシリーズの最新の実験の 1 つが GenType です。このツールでは、生成 AI を使って、何でも好きなものからアルファベットを作ります。
チームメンバーの 1 人は幼い子供の親で、Imagen を使って子供にアルファベットを学ばせたいと思っていました。そして子供がよく知っているものから文字を生成し、楽しく視覚的に学習できるようにしました。次の動画は、その実験の結果です。
この独創的な生成 AI の使い方は大好評で、Imagen が楽しい(そして予想外の)素材から作った文字は、どれもうれしい結果となりました。
このユースケースはアルファベットに特化していますが、そこから疑問が生まれました。ユーザーが 1 回入力するだけで、アルファベット全体を生成するツールを作れないでしょうか?
Google の Imagen モデルとシンプルなプロンプト レシピを使って GenType を作成しました。アルファベットの各文字は、次のプロンプト レシピに従って生成されます。
The letter “{letter}” made out of {prompt}
たとえば、下の「A」は次のプロンプトで生成されました。
The letter “A” made out of grape jelly, on toast, aerial shot
GenType ツールは賢く、ユーザーが 1 回入力するだけで、26 文字の完全なアルファベットに変換してくれます。
以下で、その仕組みについて説明します。
2. プロンプト レシピ: ツールは、この入力から、A から Z までのアルファベットの各文字を作成します。それぞれの文字に対して、"The letter 'A' made out of grape jelly, on toast, aerial shot."(ブドウジャム、トーストの上、上から見たもので作った文字「A」)のような形式で個別にリクエストします。
3.自動化: GenType では、一度に 1 つのリクエストを行うのではなく、このプロセスを自動化しています。“grape jelly, on toast, aerial shot” という最初の入力から、1 文字に 1 つずつ、26 のリクエストが送信されます。その結果、選んだテーマに沿って、他にはない文字セットが完成します。
GenType に 1 回シンプルな入力を与えるだけで、創造性あふれるカスタム文字セットが完成します。アイデアがアルファベットに変わる様子を、とても簡単に見ることができます!
GenType ツールでは、文字を作成した後、次のことができます。
2. 保存とコピー: お気に入りのフレーズやカスタム アルファベット全体、個々の文字を保存できます。コピーしてほかのアプリケーションで使うこともできます。
3. 文字を再生成: 気に入らない文字があった場合は、同じプロンプトを使い、別のスタイルや外観で文字を再生成することができます。
ほとんどの画像生成の例と同じく、成功の鍵となるのは特異度です。特に、同じようなスタイルで複数の画像を生成する場合、明確な特徴があれば、アルファベット全体が一貫した美しいものになります。
通常は、前景、背景、スタイルという 3 つの強力な組み合わせを用いると、一貫性のあるアルファベットを生成するプロンプトができます。
”Ladybugs”
(てんとう虫)など、文字の形となるものを指定します。
2. 背景: 何を文字の背景にするか?
”on a green leaf”
(緑色の葉の上)のように、背景を説明します。
3. スタイル: 各文字の全体的な外観はどのようなものか?
“aerial photo”
(上から見た)のように、外観を定義します。
さきほどのアルファベット プロンプト ”Ladybugs, on a green leaf, aerial photo”
はこれを合わせたものです。このようにすると、一貫性のあるアルファベットが生成されます。
GenType は、ユースケースに柔軟に対応できるように設計されており、ユーザーは処理に費やす時間を減らし、創作に費やす時間を増やすことができます。私たちのチームは、すでに幅広いユースケースで活用しています。たとえば、ジュエリーの作成、独特なタイトル シーケンスのデザイン、新しいタイプのデザインのブレインストーミング、オリジナルなタッチを加えたイベントの招待状やポスターなどです。
想像力次第で、どのようにでも活用できるツールです。
GenType は、labs.google/gentype で試すことができます。
新しいテクノロジーである AI は、複雑で敷居が高いように感じられるかもしれません。しかしそれは、はるかに身近で、遊び心や楽しさを感じられるようにする可能性を秘めています。AI は世界に技術的進展をもたらしていますが、それと同じくらい、創造性をもたらすものでもあります。GenType のようなツールは、そのような世界を作る取り組みの一端です。GenType のようなツールが、こういったツールならではのアイデアに触れる手助けとなることを願っています。
Google は、GenType のような実験を募集しています。何か楽しいものができたら、ぜひお知らせください。labs.google で紹介いたします。動画、ゲーム、ツール、試験的なインターフェースなど、AI を親しみやすく、楽しくするものであれば、なんでも大歓迎です。