Google Workspace は、生産性とコラボレーションを強化するさまざまなツールを備えており、人それぞれの働き方に合わせた使い方が可能です。また、API、SDK、ノーコード / ローコード ツールの豊富なセットを利用して、Google Workspace のサーフェスに直接統合されるアプリやワークフローを作成できます。
Atlassian、Asana、LumApps、Miro などの大手ソフトウェア メーカーが、Google ドキュメント、Meet、Chat などの Google Workspace アプリとのインテグレーションを構築しています。有料版のお客様 900 万社を含む 30 億人以上ものユーザーにとって、使い慣れたツールでデータにアクセスし、適切に行動することがこれまで以上に容易になりました。
I/O ’23 では、いくつかの重要な発表があり、Google Workspace とアプリを統合する際のデベロッパーのオプションが広がる新機能が紹介されました。
Google は、スマートチップの機能をパートナーに開放することを発表しました。スマートチップを使用すると、プロジェクトや顧客レコードなど、リンクされたリソースに重要な情報をタグ付けして表示できます。このプレビュー情報により、コンテキストや重要な情報を作業中にシームレスに把握できます。こうした機能の一般提供が開始され、デベロッパーが独自のスマートチップを構築できるようになりました。
すでにこの新しいスマートチップ機能を使用してインテグレーションを構築し、リリースしているパートナーもいます。たとえば、Figma と Google ドキュメントの統合はスマートチップに対応しています。ユーザーが Figma のプロジェクトにタグを付けると、閲覧者がドキュメント内の Figma リンクにカーソルを合わせた際にデザイン プロジェクトのプレビューが表示されます。Atlassian もスマートチップ機能を導入しており、ユーザーは Google ドキュメント内の Jira の課題と Confluence のページにシームレスにアクセスできます。
Tableau はスマートチップを使用しているため、Tableau Viz の名前、最終更新日、プレビュー画像をユーザーは画面で見ることができます。Miro のスマートチップ ソリューションを使用すると、ユーザーはドキュメントから簡単にコンテキストを取得し、アクセス権をリクエストして Miro ボードを開くことができます。Whimsical でもスマートチップが統合され、ユーザーが Whimsical ボードの最新のプレビューを表示できるようになりました。
デベロッパーやソリューション ビルダーは、Google Chat REST API を使用して Chat アプリを作成し、ワークフローを自動化してアラートを送信したり、スペースを作成したり、会話の流れの中で重要なデータを共有したりできます。たとえば、LumApps は Chat API を統合し、ユーザーが従業員エクスペリエンス プラットフォーム内から直接 Chat で会話を開始できるようにしています。
このたび、この Chat REST API の一般提供が始まりました。
Chat API と Google Workspace UI キットを使用することで、デベロッパーは情報とワークフローを直接会話に取り入れる Chat アプリを構築でき、AppSheet を使用したローコードの Chat アプリ開発も可能です。
Atlassian の Jira、Asana、PagerDuty、Zendesk からすでに Chat アプリが提供されています。Jira for Google Chat では、プロジェクトでの共同作業、課題の作成、チケットの更新が可能です。コンテキストを切り替える必要は一切ありません。
Google は引き続き Workspace UI キットを進化させ続け、使いやすいウィジェットやビジュアルの最適化により、Google Workspace 全体のエクスペリエンスをさらにシームレスなものにしていきます。
例として、Google Chat アプリ向けの日時選択ウィジェットや、スペースを最適化して情報を整理できる 2 列レイアウトなどを新たに追加しています。
Google Meet のプレビューでまもなくリリースされる魅力的な新機能があります。
たとえば、Google Meet Live Sharing SDK を使用することで、Android、iOS、ウェブのユーザー向けに新しい一貫性のあるエクスペリエンスを構築できます。デベロッパーは参加者のデバイスでメディア コンテンツをリアルタイムで同期させ、会議参加者全員に共通のコンテンツ コントロールを提供できます。
Google Meet Add-ons SDK を使用すれば、iframe を介して Meet にアプリを埋め込むことができます。メイン画面かサイドパネルかの選択も可能です。このインテグレーションは Google Workspace Marketplace に公開できるため見つけやすいでしょう。
Atlassian、Figma、Lucid Software、Miro、Polly.ai などのパートナーはすでに Meet アドオンを構築しています。今後デベロッパーがどのようなアプリやワークフローを Meet のインタラクティブ性の高いサーフェスに構築するのか、楽しみです。
Google Meet API を使用すると、デベロッパーは自社のアプリ内でビデオ通話を事前構成して開始できるようになり、Google Meet のメリットをアプリに取り込むことができます。また、出席の報告、録音、文字起こしなどのデータやアーティファクトを pull してユーザーが会議後に利用できるようにすることも可能です。
カレンダーから勤務場所をプログラマティックに読み取る / 書き込む機能がプレビュー版で利用できるようになりました。今年後半には、特定の時間帯の勤務場所の書き込みとともに、これら 2 つの機能が一般公開される予定です。
こうした新しい機能は、デスク予約システムとの統合や、オフィス勤務日の調整など、さまざまなユースケースに使用できます。この情報は、組織がハイブリッドな勤務形態のニーズに合わせて設定を調整するのに役立ちます。
デベロッパーを支援する 2 つの新しいツール、Google Workspace API ダッシュボードと API Explorer がリリースされました。
API ダッシュボードを活用すると、Google Cloud コンソールから Google Workspace API(Gmail、Google ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、Chat、スライド、カレンダーなどの API)へのアクセス方法が統一されます。Google Workspace API を一元管理し、使用中の API に関する集計された指標、割り当て、認証情報などをすべて確認できます。
また、API Explorer により、コードを一切書くことなく Google Workspace API の調査とテストを行えるようになります。多様な Google Workspace API の機能を試す優れた方法です。
待望の Google Apps Script のプロジェクト履歴機能がまもなく一般提供になります。この機能により、ユーザーはスクリプトの作成したバージョンのリストとその内容、選択したバージョンと現在のバージョンの差分を確認できます。
また、管理者がドメインごとに URL の許可リストを追加できるようになることが発表されました。この機能は、より安全なアクセス制御と、データの外部送信先の管理に役立ちます。
Apps Script の V8 ランタイムは 2020 年にリリースされ、これによってデベロッパーは最新の JavaScript 構文や機能を使用できるようになりました。まだ古い Rhino ランタイムで従来のスクリプトを使用している場合は、今こそ V8 に移行しましょう。
Google は、ノーコード ソリューション ビルダーである AppSheet をさらに改善し、I/O で複数の新機能を発表しました。
年内には AppSheet の Duet AI がリリースされ、これまでになく簡単に Google Workspace 向けのノーコード アプリを構築できるようになります。会話型の自然言語インターフェースにより、実現したいことをチャット形式で順を追って説明するだけで、AppSheet で簡単にアプリを構築できます。
AppSheet のノーコード Chat アプリ機能は一般提供されています。この機能を使用することで Google Chat アプリを簡単に作成し、ワンクリックで公開できます。
AppSheet データベースも一般提供されています。このネイティブ データベース機能を使用すると、AppSheet で構造化された列と参照を直接使用してデータを整理できます。
これら 2 つの新機能の利用を開始するには、ネイティブ AppSheet データベースを使用してコード不要のアプリを作成すると AppSheet アプリに Chat を追加するの Codelab をご覧ください。
Google Workspace Marketplace はデベロッパーが Workspace インテグレーションを配信する場所で、ユーザーはここからインテグレーションを検索、インストール、使用できます。AI 対応のデベロッパー制作アプリを特集する「インテリジェントなアプリ」カテゴリが新設され、スマートで効率のよい作業を支援するツールをユーザーが見つけやすくなりました(資格要件はこちら)。
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皆さんが構築した Google Workspace アプリを拝見できることを楽しみにしています。