Google のテクノロジーを使用してアプリを作成する学生リーダーたちの紹介

8月 21, 2023
Kübra Zengin North America GDSC Regional Lead
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Daniel Shirvani さん: 患者データの次のフロンティア

Daniel Shirvani さんは 2023 年にカナダのバンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)で薬理学の理学士号を取得して卒業し、間もなく UBC のメディカル スクールに進学します。Shirvani さんは、Google Developer Student Clubs(GDSC)のリード兼創設チームメンバーを務めました。また、2019 年に自身のソフトウェア会社 Leftindust Systems を立ち上げ、オープンソース コミュニティ向けの小規模な電子カルテ ソフトウェア(EMR)を作成してテストしました(このプロジェクトはすでに終了しています)。

「医療ソフトウェアの使用について再考するためにスタートアップを設立しました」と Shirvani さんは語ります。

Shirvani さんは、バンクーバー地域の心臓クリニックの夏季学生ボランティアとして、誰が新しい心臓病薬の投与対象資格があるかを確認する目的で、特定の血糖値および HBA1C レベルと腎臓病に関連する因子を有する患者の数百の医療記録のインデックスを作成する仕事を任せられました。しかし、このクリニックの医療記録ソフトウェアには、システムに記録されている患者にフラグをつける機能がありませんでした。Shirvani さんの最終リストに数百のファイルを登録する唯一の方法は、手動で登録することでしたが、リストのサイズと勤務期間の残り時間を考えると、それは不可能でした。Shirvani さんは、これらの患者にフラグをつけるだけでなく、どの患者が基準を満たしてるかを自動的にフィルタリングする機能をソフトウェアが備えているべきだったと考えました。

「このソフトウェアのせいで、200 〜 300 人の患者がこの救命薬を受け取ることができないのです。私の父は、この種の薬の投与対象となる患者です。父が心臓発作を患ったことで、釣り合いの取れた考え方を持てるようになりました。ソフトウェアの性能が追いつかなかったという理由だけで、私の父の場合と同じような経験をする家族がいるのです」と Shirvani さんは指摘します。

Shirvani さんは、自身の医学的知識とプログラミング スキルを組み合わせて、患者データを、文章ではなく、数値で保存できる電子医療ソフトウェア(EMR)を開発することにしました。このソフトウェアにより、医師は個人レベルとグループレべルの両方で患者のデータを即座に分析できるようになります。UBC、スタンフォード、UCLA の医師を含めて、北米全域の医師がこのソフトウェアに注目しました。

「North America Connect カンファレンス(Google デベロッパー グループWomen TechmakersGoogle Developer ExpertsGoogle Developer Student Clubs などの Google for Developers コミュニティ プログラムから、北米各地の主催者とメンバーが直接集まる 2 日間のイベント)の期間中に、私の現在のパーソナル メンターである Kevin A. McGrail 氏など、多くの GDE や Google 社員と出会いました」と、ヘルスケア コミュニティに変化をもたらす別の方法を模索し続けている Shirvani さんは語ります。

「システムに失望させられるときは、終わりではなく、始まりだと考えています。私たちは、その空間に未来を形作るのです」

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Alex Cussell さん: テクノロジー分野の起業家になる

Alex Cussell さんは 2020 年にセントラルフロリダ大学を卒業しましたが、最終学年に GDSC リードを務めました。テクノロジー分野の起業家になるという情熱を追求するきっかけとなったのは、この経験だったと Cussell さんは述べています。

「まったく異なるバックグラウンドを持つ学生のグループを率いて、世界で最もまん延している問題に取り組み、そのすべての瞬間を楽しんでいる自分に気づいたとき、私はテクノロジー分野の起業家になるべきだと思いました」と Cussell さんは語ります。「新型コロナウイルスの世界的大流行により、私たちが知っていた世界の動きが急に止まったとき、私たちは交通事故に巻き込まれた人々の命を救う任務を担っていました」

バーチャル卒業式が終わった後、Cussell さんはシリコンバレーに移り住み、カーネギーメロン大学でテクノロジー ベンチャーの修士号を取得しました。Cussell さんは、有意義な会社を築くというビジョンを胸に、プロダクト管理、ベンチャー キャピタル、スタートアップ法務について学びました。婚約した際にブライダル シャワー ギフトとして複数のギフトカードを受け取った Cussell さんは、各カードの金額に関して混乱してしまい、それらを整理しようとして困難に直面しました。

Cussell さんは、ギフトカード用の汎用 e ウォレットを備えた Jisell アプリを作成し、ユーザーがギフトカードをデジタル化できるようにしました。このアプリでは、これまでに 5,000 ドル相当以上のギフトカードがアップロードされているほか、米国最大のギフトカード販売業者と提携が結ばれています。Jisell のプロダクト マネージャーである Emily Robertson さんは、GDSC サミットで Cussell さんと同室でした。

「Google Developer Student Clubs がなければ、問題の解決や技術的なリーダーシップを自分がどれほど好んでいるのかを自覚したり、Google が提供する優れたツールについて、これほど多く知ったりすることはなかったかもしれません」と Cussell さんは述べています。「GDSC エクスペリエンスに貢献してくれたすべての人に感謝します。皆さんは多くの人々の人生を本当に変えたのです」

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Angela Busheska さん: 気候変動と闘う非営利団体の設立

Angela Busheska さんは、ペンシルベニア州イーストンのラファイエット大学で電気工学とコンピュータ サイエンスを専攻し、数学を副専攻しています。卒業は 2025 年の予定です。今年の夏と昨年の夏に Google でインターンとして働いた Busheska さんは、2021 年 9 月から 2022 年 1 月にかけて Google の Computer Science Research Mentorship Program に参加しました。このプログラムは、キャリアに関して指導を受けたり、仲間と交流したり、コンピューティング分野での進路に関して意識を高めたりすることにより、歴史的に疎外されてきたグループに属する学生たちがコンピューティングの研究を続けられるようにするものです。Busheska さんは、「AI for Social Good」の分野で 4 つのプロジェクトのコンピューティング プロセスを調査しました。

Busheska さんはパンデミックの期間中の 2020 年に、日々の行いが及ぼす力を通じて気候変動と戦い、持続可能な方法で生活することは不経済かつ困難な取り組みであるという偏見を打破するために、非営利団体 EnRoute を設立しました。また、AndroidFlutter を使用してモバイルアプリを開発し、ユーザーが日々の移動や買い物について簡単に選択して、温室効果ガス排出量を削減できるようにしました。2020 年以来、このアプリは何千人ものユーザーをガイドして、100,000 kg を超える二酸化炭素排出量を削減してきました。

EnRoute は、Busheska さんが 17 歳の時に亡くなった叔母をたたえるために設立されました。Busheska さんは、世界で最も汚染された都市の 1 つである北マケドニアのスコピエで育ちました。

「私が 17 歳のとき、スコピエの深刻な大気汚染のために、もともと心血管障害に苦しんでいた叔母は血管の損傷が決定的になり、そのあとすぐに亡くなりました。私は個人的な損失に触発されて、汚染の原因を研究し始めました」と Busheska さんは述べています。

EnRoute は Forbes 誌の「30 Under 30 Social Impact List」に掲載され、ショーン・メンデス、ウィリアム王子、One Young World、国連から公式に評価されています。

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Sapphira Ching さん: 環境、社会、ガバナンスの基準(ESG)の推進

ペンシルベニア大学ウォートンス クール の 4 年生である Sapphira Ching さんは、入学した年に GDSC に参加し、その春にクラブのソーシャル メディアのリードを務め、2 年生のときにマーケティングおよび戦略の責任者となった後、ペンシルバニア大学の GDSC リードとして 3 年生を過ごしました。Ching さんは GDSC リードとして、GDSC の キャンパス メンバーシップとパートナーシップを拡大し、2,000 人以上の学生にリーチしました。さらに、環境、社会、ガバナンスの基準(ESG)、そして多様性、公平性、一体性(DEI)の理念に対する情熱を胸にして、エンジニアリング、ビジネス、法律、医学、音楽など、さまざまな学部の学生で構成されるリーダーシップ チームを築きました。

ESG、テクノロジー、ビジネスへの情熱が Ching さんの選択を後押ししています。「ビジネス感覚を使って、ESG をテクノロジーに組み込み、人々をまとめ上げたいと考えています」と Ching さんは抱負を述べています。

ウォートン スクールは Ching さんを Turner ESG Initiative の初代学部生フェローに任命し、Ching さんは ESG イノベーション クラブである Penn Innovation Network を設立しました。Ching さんの夏季インターンシップは ESG に焦点を当てたものとなり、2021 年夏に MSCI(旧 Morgan Stanley Capital International)で ESG を軸としたインターンシップを経験し、2022 年夏には金融界における ESG の巨人と評される Soros Fund Management でインターンとして働きました。また、Ching さんは NCAA ディビジョン I の学生アスリートであり、サーベル フェンシングのオリンピック候補選手です。

「GDSC が大学 1 年目から私を支援してくれたおかげで、ESG、テクノロジー、ビジネスの領域で成長することができました」と Ching さんは語っています。


GDSC 同窓生リードまたは現役リードの方: Google Developer Student Clubs(GDSC)の LinkedIn グループにはこちらから参加できます。このグループは、現役および以前の GDSC リードとアイデアを共有したり、つながったりするのに最適な場所です。

お近くの GDSC に参加することに関心がある方: Google Developer Student Clubs(GDSC)は、Google のデベロッパー テクノロジーに興味がある学生を対象とした大学ベースのコミュニティ グループです。デベロッパーとして成長することに関心のあるすべての学部課程または大学院課程の学生を歓迎します。詳細はこちらをご覧ください。

GDSC リードになることに関心がある方: GDSC リードは、大学で Google Developer Student Clubs(GDSC)の支部を立ち上げ、成長させる責任があります。GDSC リードは学生と協力して、イベント、ワークショップ、プロジェクトを企画します。詳細はこちらをご覧ください。